Atelier dddo>PainterCollection > Painter Changes > Painter の特許 (2003.05.27)

Painterのマニュアルやバージョン表記の中に「Painterは合衆国特許
○○○、×××で保護されています」などの表記があります。
これはどんな特許でしょうか。。。チョコっと調べてみました(^^;
(ざっとナナメに読んだだけですので間違いがないとは言い切れません。あしからず)

原本はこちら

United States Patent 5,347,620 September 13,1994
Inventors: Zimmer; Mark A. (2509 Huntington Dr., Aptos, CA 95003)
System and method for digital rendering of images and printedarticulation


United States Patent 5,767,860 June 16, 1998
Inventors: Zimmer; Mark Alan (Aptos, CA); Derry; John (Aptos, CA)
Digital mark-making method


http://www.levien.com/gimp/brush-arch.html
のGimp関連ページにも記述があります。(かぶら屋さんより)

この特許表記はPainter 8英語版には無い様です。
US Patentの期限は17年…とかじゃなかったか…と思いますので
…特許権が消滅した訳ではないと思うのですが(^^;
(そういえば、特許の権利の期限、何年か前に延ばすとか騒いでたような気もするけど…
10年以上20年未満…タブン(^^;)

基本的に特許の権利というのは告発制(?権利保持者が盗用を訴える必要がある。訴
えなければ、特許侵害があったとはされない)で、保護、許諾とも特許法としては表
記の義務はない…と思います(^^;

保護の方は、特許の存在の宣伝(?)とあわよくば、誰かが、技術が盗用されている
可能性を通報してくれる事を狙ったもので(ってホントは利用する人が事前に調査し
て連絡してくる事を期待して)、

許諾は特許保持者が特許の利用許可の契約の中に(やはり宣伝を狙って)「製品に許
諾の事実を明記するべし」と言う一文を入れる…んだと思います(^^;
=================
で、この特許の内容を非常にかいつまんで言うと、

1番目の特許5,347,620は(Painter3 - 7まで表記)
 A. 色を濃くして行く計算方法(色鉛筆等のブラシ)、
 B, C. あらかじめ計算しておく事で、
 ナチュラルな(複雑な)筆跡を軽い計算で描ける様にする方法(全ブラシ)

2番目の特許5,767,860は(Painter5.5, 6,7のみに表記)
 1番目のB, Cの計算を、データ構造とアクセス方法を工夫して
 ブラシ変更時にもリアルタイムで反映される様にした
 (「あらかじめ計算」しているとは意識させないようにした)

…というところでしょうか。。。(^^;

以下、特許のクレーム(特許の範囲を決める部分)などをざっと読んだメモと簡単な解説(^^;
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United States Patent5,347,620 September 13, 1994
「ブラシの演算」
Painter 3 -7まで表記
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は:大きく3つのクレームに分かれていて、
1-3は「塗り重ね(Buildup)」(色鉛筆、クレヨンなど塗り重ねると色が濃くなって行
くブラシの手法)でlog(対数)色空間でRGBとCMYを変換しつつ色を足して行く方法、

4-7は異なる複数のサイズのブラシ形状をあらかじめ計算しておき、実際にペイント
する時に必要とされるサイズにもっとも近いモノを選ぶアイデア
(これが「作成(Build)」と、後に5,767,860の「自動作成」)

8-9はスムーズで連続的なストロークを得る為に垂直と水平のサブピクセル(1ピク
セル以下)の距離とサイズを計算しておいて描画時に利用する方法

〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜
…と言う訳で、
Painterらしい自然な筆跡を得る為の基本技術…というところかな(^^;?
で4-7の「あらかじめ計算」が重いので(8-9のサブピクセルの計算も、かな?)、ブ
ラシの設定を変更すると「作成(Build)」ボタンを押して計算させる必要があります。
(Painter 4まで)
が、そのおかげで描く時には比較的軽い計算だけでナチュラルな(つまり複雑な)筆
跡を作る事ができる。。。

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USP5,767,860 June 16, 1998
「Pre-built brush fileをあらかじめ作ってそこからデータを引いて描画する」
Painter 5.5,6,7のみに表記
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
は:大きく2つのクレームに分かれていて、
1〜4はPre-built brush fileの作り方・構造、
5〜13は描画時のPre-built brush fileへのアクセス方法
かな(^^;?

〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜
Pre-built brushfileというのは見えるファイルとしてはPainter6からですが、
ソレ以前もブラシファイルの中にあったものです。
(だから6以前はブラシ・ライブラリのファイル自身が巨大化して行く(^^;)

Painter4までは先の説明通り、ブラシの不透明度と粗さ以外の項目(サイズも含む)
を変更すると「作成(Build)」ボタンを押す必要がありました。

これが意外と面倒(笑)で、つい忘れて描き始めて
「作成しろ」とダイアログがでる(^^;

これを、Pre-built brushfileの構造とアクセス方法を工夫する事によって、
ブラシ設定を変更した時に「リアルタイムに自動作成」できるぐらい
軽い処理にした、つまり変更ごとに「作成(Build)」ボタンを押す必要が
なくなった…というモノです。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ちなみに。。。

ソフトウエアの特許が認められ始めたのがこの頃(か、もう少し前?)で
それ以前は物理的な物体との組み合わせで無いと特許として通りませんでした(^^;

それで、Gifや通信、動画の圧縮方法やら色々出てきてややこしく(ばき
最近は遺伝子(ためいき




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